凌雲閣 東京百美人(浅草)

  • 日本初のミスコンが明治時代の浅草で開催!
    • 凌雲閣(りょううんかく)とは
    • 明治24年(1891年)に建造された、当時の日本で最も高い建築物が浅草公園に建てられました。

      高さ52メートル、12階建て。その名称は「雲を凌ぐほど高い」ことから凌雲閣(りょううんかく)と命名されました。

      東京タワーの高さが、333m
      東京スカイツリーの高さが、634m


      比較すると低く感じるかもしれませんが、当時は周りに高い建物がまったくなかったので、見晴らしは良かったそうです。
      凌雲閣は日本で初めてエレベーターを内臓したことでも有名で、建築当時は観光客を呼ぶための目玉でした。


      気になる入場料は大人8銭、子供4銭。エレベーターに乗る場合は別料金が発生(5銭という説がありますが詳細は調査中)。

  •  当時の貨幣価値は、1銭で掛そばが食べられ時代であることから、仮に掛そばを300円と仮定すると、4銭は約1200円、8銭は約2400円だと考えられます。東京スカイツリーの当日券(大人)が約2000円なので、凌雲閣の入場料は打倒?な価格なのかもしれません。


    以下は当時の浅草周辺の地図。
    凌雲閣の場所は赤い丸の箇所になります。浅草寺から見て、花やしきの向こう側になります。
  • 目玉のエレベーターが故障! 夏の繁忙期前に大ピンチ!!
  • 日本一高い建築物に加えて、エレベーターを内蔵した凌雲閣ではありましたが、なんとエレベーターが故障しました。度々不具合はあったそうで、原因の一つは、施工前の設計段階でエレベーターを内臓することが想定されておらず、無理に後付けしたことがあったそうです。オープンから6ヵ月後、当局の指導により運転停止命令が出ました。


    夏の繁忙期を前に目玉のエレベーターが運転停止。運営会社は悩みました。エレベーターがないということは12階の展望室まで観光客は歩いて登ることになります。長い上がり下がりを飽きさせない方法はないだろうか。悩んだ結果、画期的な対策が行われたのです。


    そうだ、美人コンテストをやろう!


    こうして日本初の美人コンテストが開催されることになりました。コンテスト名は「東京百美人」、エントリーされた女性達は東京中の花街から選ばれた102名の芸者達。凌雲閣の階段を登りながら壁面の写真を見て、最後に好きな女性に投票ができるというシステムでした。


    結果は大成功!


    開催期間中の5日間で約50000名お客様が来場されたそうです。
    エレベーター故障時の平日の平均来場者が300名だったことを考えると、ものすごい反響があったことが分かります。


    ただ実際の話、この来場者数は観光客だけではなく、花街の旦那衆が贔屓の芸者を優勝させるため、多くの人間に何度も何度も通わせたことが裏にあったそうです。この料金(入場料)を払って自分の贔屓する女性に投票できる仕組み、某アイドルグループの総選挙に似ていますね(入場料ではなくCDを買って投票できる仕組み)。今も昔も、人の考えることは同じなんだと、ちょっと微笑ましいエピソードですね^^
  • 新橋芸者が圧倒的な票数を集めて上位入賞
  • コンテストの結果は、
    1位 2,162票 新橋 玉菊(玉川屋)
    2位 2,130票 新橋 桃太郎(相模屋)
    3位 2,057票 新橋 小と代(中村屋)
    4位 2,054票 新橋 あづま(津の國屋)
    5位 2,030票 柳橋 小つる(河内屋)
    6位 1,989票 新橋 おゑん(小松屋)


    総投票数:約48,000票
    投票期間は5日間、1891年9月12日-9月16日


    7位以下の票数は不明ですが、1位から6位の得票数は僅差なのが面白いです。


    ほとんどが新橋芸者となっていることから、新橋花柳界の旦那衆の力がすごいな!と連想するかもしれませんが、すごいのは当時の新橋芸者衆です。一般客からの投票(浮動票)も多く獲得しているのは、容姿・技量・知名度・ブランドなどのレベルの高さからだと思われます。


    尚、上位入賞者には、ネックレスや着物の帯、米俵などが贈られたそうです。


    以下は、1位から3位入賞のお写真になります。

    • 東京百美人 一等受賞
      新橋玉川屋 玉菊 2,162票

    • 東京百美人 二等受賞
      新橋相模屋 桃太郎 2,130票

    • 東京百美人 三等受賞
      新橋中村屋 小と代 2,057票
  • 入賞はしなかったが話題をさらった新橋芸者「小つま」
  •  東京百美人コンテストでは、惜しくも入賞はしませんでしたが、コンテストの話題をさらった芸者がいました。 芸名は「小つま」。


    子つまはコンテスト用の写真撮影当日、身支度のために自宅で髪結いが来るのを待っていましたが、 約束の時間を過ぎても髪結いは現れませんでした。しびれを切らした小つまは、長い髪を垂らしたまま、 いわゆる「洗い髪の姿」で会場に向かったのです。当時の女性が髪を下ろして人前に出るということは恥ずかしいことだったのです。


    会場に到着した小つまは、身支度をし、結果的には日本髪姿で写真撮影を行いましたが、 この時のエピソードから「洗い髪のお妻」という名で呼ばれるようになります。 後日談として、この洗い髪姿のが好評となり、今でいうグラビアアイドルのような待遇を小つまは受けることになります。 当時の洗髪料(今でいうシャンプー)の製造会社のイメージガールになったり、お座敷に「洗い髪」で来るように指名をされたりと、 大評判となったそうです。

    • 右のお写真がコンテスト後に撮られた、
      洗い髪のお妻さん。
      本当にグラビア写真みたいですね。


      あまりに評判が良かったため、
      コンテストの優勝者は「小つま」さんだった
      という噂話まであったそうです。
  • 東京百美人 全芸者のお写真
  •  以下は実際にコンテストにエントリーされた102名の芸者になります。1891年に撮影されたもので、 公平を期す為に専用の写真撮影用の写し場を作り、背景の違いで印象が変わらないように配慮がされていたそうです。 日本初のミスコンは「おもいつきの企画」ではなく、相当気合と予算が注がれた催しものであったことが分かります。


    ※100-102のお方はエントリーした芸者ではなく、他の芸者の世話人だったそうです。
    なぜお写真があるのかは不明。
    • 1.琴次(新橋)

      2.桃太郎(新橋)
      ※二等受賞者

      3.あづま(新橋)
      ※四等受賞者

      4.若六(新橋)

      5.きんし(新橋)

      6.春子(新橋)

      7.〆吉(新橋)

      8.小ふゆ(新橋)

      9.小一(新橋)

      10.小辰(新橋)

      11.豆子(新橋)

      12.愛子(新橋)

    • 13.民次(新橋)

      14.桃子(新橋)

      15.小と代(新橋)
      ※3位受賞者

      16.小つま(新橋)
      ※洗い髪のお妻

      17.八千代子(芳町)

      18.とん子(新橋)

      19.玉菊(新橋)
      ※1位受賞者

      20.おかじ(新橋)

      21.小蝶(新橋)

      22.小鷹(柳橋)

      23.友松(新橋)

      24.たつ子(新橋)

    • 25.小ふゆ(芳町)

      26.濱子(新橋)

      27.おまち(日本橋)

      28.花吉(柳橋)

      29.おとわ(日本橋)

      30.おまる(新橋)

      31.菊龍?(新橋)

      32.奴(芳町)

      33.小ふみ(新橋)

      34.玉江(日本橋)

      35.子ゑい(柳橋)

      36.萬さい?(新橋)

    • 37.小六(新橋)

      38.小花(日本橋)

      39.おすず(新橋)

      40.小つる(柳橋)※5位受賞者

      41.小照(日本橋)

      42.小かめ?(日本橋)

      43.三子(芳町)

      44.きんし(芳町)

      45.繁松(芳町)

      46.小村(新橋)

      47.菊花(新橋)

      48.おしゅん(芳町)

    • 49.子ふさ(新橋)

      50.たま子(柳橋)

      51.子てる(芳町)

      52.おきん(吉原)

      53.おたつ(吉原)

      54.花次(吉原)

      55.かめ子(吉原)

      56.おみつ(吉原)

      57.おしづ(下谷)

      58.桃太郎(講武所)

      59.つる松(下谷)

      60.子まる(講武所)

    • 61.つま子(新橋)

      62.子奴(新橋)

      63.おゑん(新橋)
      ※6位受賞者

      64.勝次(新橋)

      65.子清(日本橋)

      66.玉江(新橋)

      67.山と(新橋)

      68.徳松(新橋)

      69.金の助(新橋)

      70.あり子?(新橋)

      71.おそよ(新橋)

      72.お千代(新橋)

    • 73.金助(柳橋)

      74.福助(日本橋)

      75.子むめ(浅草)

      76.おきよ(浅草)

      77.おりう(柳橋)

      78.子竹(柳橋)

      79.子千代(下谷)

      80.福助(下谷)

      81.おかる(柳橋)

      82.子いと(柳橋)

      83.子まん(柳橋)

      84.福壽(下谷)

    • 85.八重次(新橋)

      86.子うた(日本橋)

      87.金八(柳橋)

      88.吉や?(新橋)

      89.君代(新橋)

      90.子奴(芳町)

      91.〆子(芳町)

      92.てい子(柳橋)

      93.小きく?(芳町)

      94.子かね?(柳橋)

      95.おたま(柳橋)

      96.子つね(柳橋)

    • 97.あだ吉(赤坂)

      98.子静(吉原)

      99.小雪(新橋)

      100.延志ん(吉原)
      ※世話人

      101.おしん(日本橋)
      ※世話人

      102.おいね(下谷)
      ※世話人

      103.おなお(吉原)

      104.小みね(赤坂)

      105.小花(赤坂)