• こんにちは。
    当サイトの管理人の長岡です。

    本日は突然の取材依頼にも関わらず、八王子の芸妓置屋ゆき乃恵の主人、「めぐみ」さんとの面会が叶いました。 さらに、ゆき乃恵に住み込みで芸者修行中の「くるみ」さんにも芸者を目指した動機や、住み込み修行中の日常についても伺います。

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    めぐみ(八王子芸者)
    日本舞踊藤間流  名取り
    八王子芸妓組合  組合長
    芸妓置屋ゆき乃恵 主人
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    くるみ(八王子芸者見習い)
    東京都出身
    中学校卒業後に芸妓置屋ゆき乃恵に入門
    半玉を目指して修行中
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  • 八王子はこんな花街
  • ゆき乃恵にて、お互いの自己紹介を終えてから、私から質問をさせて頂きました。

    長岡
    私の八王子花柳界のイメージは行政との連携が強く、市のイベントによく出演される印象があります。 小学校に遠出して、芸者文化や芸事について説明するということは、なかなか東京では実現が難しいと聞きますが、 八王子では実現できています。こういった繋がりは、どのように作られてきたのでしょうか?」

    ※注釈※
    京都など一部の地域を除くと、多くの市町村では芸者業を風俗業とみなし、教育機関等のイベントに参加することを避ける傾向があります。 ここでいう風俗業とは、風適法の管理下にある許可営業全般を指します。 そのため、東京区内の花街では京都のように学校施設のイベントで芸者の伝統文化・伝統芸能の発表を行う機会が作りにくい現状があります。

    • めぐみ
      こちらから何かしたというよりも、市からお話を頂けて実現ができています。 他の花街からも、「こっちでは、絶対にできない」ということも聞きますね。

      八王子が織物の町で栄えたため、芸者を呼ぶことが昔から多かったんですね。 ありがたいことに、法事や結婚式、お爺ちゃん・お婆ちゃんの誕生日、ゴルフのホールインワンのお祝いなどで、 「じゃあ、芸者さんを呼ぼうか」と家族単位で私達とお付き合い頂ける文化が今でも残っています。これが八王子の特徴です。 芸者の依頼も旦那様ではなく、奥様から入ることが多いんですよ。

      こういった文化が今でも残るのは、八王子の芸者がひたむきに頑張ってきたこと、清潔感を大切にしてきたこと、 お行儀ができること、こういったことに真摯に向き合ってきたことをお客様が見てくれていたのだと考えています。

  • 長岡
    特別に何かを市に訴えてきたというよりも、お客様を大切にしてきた結果、市から声がかかるようになったということですね。

    めぐみ
    最近ですと、期日前投票や確定申告の案内記事の撮影に芸者衆で参加しました。 芸者が広告に載るということは十数年前は誰も想像しなかったことです。 広告に載せて頂けるようなイメージを若い妓達が頑張って作ってくれて、それをお客様が応援してくれた結果なのだと考えています。

  • 八王子花柳界 年間スケジュール
  • めぐみさんに八王子芸者衆の出演イベントについて伺いました。
    ※毎年恒例開催で、八王子市内での催しのみを記載しています。
    • 1月
    • 新春はしご乗りと初春の舞
    • 2月
    • お化け
    • 4月
    • 高尾山 若葉まつり
    • 7月
    • あさがお市
    • 8月
    • 八王子まつり
    • 10月
    • 夢の花街にユーロード
  • 上記以外にも八王子市内外での大小様々な催しに参加されます。
    近日開催の以下の催しへの参加はいかがでしょうか?
    • ◇ 八王子 伝統芸能と日本酒の夕べ
      【日時】4月20日(水)午後6時開宴(5時30分より受付開始)
      【出演】八王子芸者衆
      【場所】サザンスカイタワー八王子3F 「サザン・ラウンジ」(要予約)
      【問い合わせ】サザン・ラウンジ ℡ 042-649-7315

      ※昨年開催時の記事はこちら
  • 八王子に入門したくるみさん、受け入れを決意しためぐみさん
  • めぐみ
    くるみは住み込み開始から2年になりまして、八王子でも50年ぶりの半玉になります。

    長岡
    50年ぶりとは凄いですよね!

    めぐみ
    そうですよね!八王子でも古いお客様しか知らない位で。中学卒業してから進学ではなく、 こういう道を目指す子も現在では珍しいですし、そういう子達はほとんど京都に行きますので、 八王子のような小さい花街になりますと、何もかもが初めてになります。初めてくるみと会った時も、 「不安だけど一緒にやってみる?」と話をしました。

    長岡
    くるみさんが芸者を目指そうと思ったキッカケはなんだったのでしょうか?

    • くるみ
      流派は違うのですが元々おどりが好きで、活かせる仕事がないかを師匠に相談したら 「芸者さんという道もあるよ」と紹介をして頂けたのがキッカケになります。稽古場の繋がりで八王子花街のお姐さんと知り合いまして、 その紹介でゆき乃恵でお世話になることになりました。

      長岡
      東京では住み込みでの入門は最近はあまりないらしいですよね。

      めぐみ
      そうですね、都内の置屋はマンションの場合が多くなってきたりもして、なかなか住み込みでの受け入れが難しいらしいですね。
  • 住み込み中の一日のスケジュールは?
  • くるみ
    午前中と、お昼過ぎはお稽古(日本舞踊、鳴り物、茶道、小唄、三味線)がありまして、家事などを手伝いつつ、 夜はお姐さんのお着替えを手伝い、その後は料亭のすゞ香で、お運びのお仕事を手伝わせて頂いています。

    長岡
    お休みはあるんですか?

    くるみ
    大体、週1回位のペースでお休みを頂いています。

    めぐみ
    ご両親の理解があってのことですので、すゞ香のシフトと相談しながらお休みをとっています。 お休みの日は主に実家に帰っていますね。

    長岡
    ご両親も、娘の顔を見れば元気にやっているかが分かるので、顔見せで帰るのはすごく良いことですね。

  • 芸者を目指す際の両親との話し合いについて
  • 長岡
    芸者を目指すにあたってご両親と話し合ったことはありますか?

    くるみ
    最初、反対されたんですね。高校を出てからでも遅くはないと言われたんですけど、 早い時期に稽古を始めるのも良いというアドバイスもありまして、よくよく考えて「八王子で働きたい」と両親に伝えて、認めて頂きました。

    長岡
    自力でご両親を説得したということですね。




    長岡
    京都で舞妓を目指すドキュメンタリー番組では、置屋とご両親などで面談をされるシーンがありますが、 そういった、やり取りはあったのでしょうか?

    めぐみ
    お母様、お婆様、仲介の先生などとお会いしました。 まわりの大人同士が協力し合わないとできないことですので、皆で頑張っていきましょうというお話をさせて頂きました。

    長岡
    芸者を目指すことも大きな決心ではありますが、受け入れる側の置屋にとっても大きな決断だと思うのですが、 50年ぶりに半玉を育成すると決めたキッカケは何かありましたか?

    めぐみ
    お話を頂いた時点で前例がないことでしたので、不安もありました。すぐ近くに聞ける方もいなくて、全てが手さぐりで、 京都の知り合いには相談できましたが、風習から何から違い、「どうしたらいいかしら、、」となりましたね。

    もうこれは、自分で「こういう風にしてみよう」と思う道を進むしかないという感じでですね、 とにかく本人(くるみ)に会って、本人の言葉で意思を確認した上で決めようと考えました。

    その結果、「私も分からないこともあるけど、考えながらやるから、失敗しても、失敗は反省してやり直せるから、 一緒に悩みながらでも頑張ろうね」といったお話をくるみとしました。

    彼女も不安はあったと思いますが、分からないことを分かった振りもできませんので、本当に一緒に相談しながらこの2年間はやってきました。 「次回はこうしよう」「こうした方が良かった」と、お稽古のことや、家事手伝い、まわりのお姐さんのこと等について話し合ってきたよね?

    くるみ
    はい。

  • 芸事意外にも学ぶことは多い
  • 長岡
    京都の住み込み修行中の舞妓ドキュメンタリーを観ると、芸事の稽古以外にも足袋を洗濯したり、 夕ご飯を作るシーン等があったのですが、そういったこともされているのでしょうか?

    くるみ
    最近、その、、「ごはんも作りましょうね」、というルールが出来て、、、一生懸命頑張っています、、はい、、、フフフ

    長岡
    その笑いが、どんな意味が込められているかが気になりますね(笑)

    めぐみ
    日常のことを女の子として分からないまんま来ちゃったから、花柳界のことはもちろんだけど、それ以前のことも勉強しています。 将来、独り立ちする前に学ばなきゃいけないことは山のようにあるし、女性としても身につけなきゃなきゃいけないことも学習しています。 私なんかが若いころより全然しっかりしていますよ。

  • 取材を終えて
  • 取材をしてみて、随所に八王子花柳界の強さを覗き見ることができ、特にめぐみさんのフットワークの軽さに驚きました。

    ゆき乃恵の稽古場にてインタビューをさせて頂きましたが、今後の催し物のチラシを頂戴できないかとお願いしたところ、 すごいスピードで別室よりお持ちいただけました。他にも取材前に行ったメールでのやりとりも返信が非常に丁寧で早く、 こういった応対がお客様や取引先にも発揮される姿は容易に想像ができます。 新人は、先輩やトップの動きを見て学ぶことが多いので、職場としてのゆき乃恵は、めぐみさん等から吸収できることが多いのだと個人的に思います。

    八王子のさらなる発展のために、東京花柳界情報舎では、八王子花柳界の新情報が入り次第、直ちに情報発信をさせていただきます。

  • 2016年3月某日 ゆき乃恵にてインタビュー


  • インタビューへのご協力いただいた「ゆき乃恵」はこちらからアクセス頂けます。




  • 八王子花柳界では、新たに芸者志望者を募集されているとのことです。
    よろしければ、以下のチラシをご参考ください。(画像クリックで拡大)